無題ドキュメント 小見出しは私が付けたものであることを書き記しておきます
坐 骨 神 経 痛 様 下 肢 痛
事務職員などのようにいつも座っている人は小臀筋にトリガーポイントを作る危険性がある。そして、坐骨神経痛に良く似た痛みを下肢に発生させる。
坐骨神経痛という診断は下肢に痛みがある人に付けられるよくある診断名だ(それはしばしば坐骨神経とは無関係なのだが)。
適切なストレッチングなしで走るような運動は小殿筋のトリガーポイントを作ることになります。
腰 椎 側 湾 症
イラストAを見てほしい。この筋肉は交通事故に遭ったときや滑って転倒したとき、あるいは転倒しそうになったときによく損傷する。この筋肉が損傷すると、トリガーポイントが形成され、筋短縮が発生して、その結果、損傷した側の骨盤は上に引っ張られ、肋骨は下に引っ張られる。
この筋肉が傷害を受けると、トリガーポイントを形成し、傷害を受けたのと同じ側に筋短縮が起こり、骨盤を持ち上げ肋骨をひきさげる。(側湾症)
イラストからも分かるように、短縮した筋肉の影響は頚にまで達する。臀部と肩はあたかもリーダーに従うように水平でなくなっている。下肢の長さの違いにも気づく。この種の体の歪みがあると、頚部痛や背部痛が生じるであろうことは容易に想像できる。
交通事故による障害筋肉
腰方形筋にトリガーポイント が出来ると、収縮して反対側より短くなる。これは同側の骨盤の後ろを引っ張り上げ、同側の骨盤の前方を下方に回旋する。このとき特徴的な痛みが始まる。大腿直筋は骨盤の前方に付いているので、骨盤の前方が下方に回旋すると、この筋肉にトリガーポイントが生じ、骨盤の機能障害としばしば膝痛を生じさせる(イラストB)。
腹直筋には、交通事故のとき、シートベルトで圧迫されてトリガーポイントが生じることがある(イラストC)。この筋肉は骨盤の前方にある恥骨に付着しているので、骨盤の機能障害が起きると、この筋肉も巻き込まれる。腹直筋にトリガーポイントが生じると、その関連痛は腰部まで及ぶ。そしてまた、無菌性膀胱炎の多くの症状の原因となることがある。
類似症状を呈する成りすま し筋の4大スター
· A:小臀筋→坐骨神経痛
· B:大胸筋→狭心症
· C:腹直筋(下部)→虫垂炎
· D:僧帽筋(上部)→偏頭痛
"成りすまし筋"のリストのトップは小臀筋だ。片方の脚により多くの重心をかけて立っているとこの筋肉にトリガーポイントができ、臀部、大腿、下腿の痛みの原因になる(イラストA)。通常、一方を怪我したとき、他方に体重を移して立っている。
この痛みのパターンを見ると、しろうともヘルスケアの専門家もともにしばしば坐骨神経痛だと思ってしまう。坐骨神経痛とは痛みパターンの説明で真の診断名ではない。小臀筋の関連痛パターンは、この筋肉は"偉大なる詐欺師"とあだ名が付けられるのに値するものだ。
しばしば、左の胸部に強い痛みを訴え、左の腕にも痛みが広がっている患者が訪れる。医師によって可能性のある心疾患に対する適切な検査がされて異常がなかったので、M.Rを紹介された。大胸筋のトリガーポイントは胸部に痛みを作り、その関連痛として腕に痛みが放散する(イラストB)。この痛みの関連痛パターンは心臓発作の関連痛パターンととてもよく似ているので、大胸筋は私達の"詐欺師"リストの大スターである。
虫垂炎は年齢に関係なく、しばしば警告なく起こるごく一般的な健康問題だ。虫垂が摘出されたが、病変が見つからなかったという報告はたくさんある。このようなケースでは犯人は下部の腹直筋だ。イラストCで痛みのパターンが見られるように、この"詐欺師"は下腹部に虫垂炎と似た痛みをつくる。
下部腹直筋のトリガーポイントは、自動車事故のときシートベルトの下の部分で活性化することがある。また、痛みを伴う月経周期によることもある。下部の腹筋のこれらのポイントは、下痢や憩室炎や婦人科的障害を模倣した徴候を誘発することある。
片頭痛は、今日のストレスの多いライフスタイルにあまりに普通にみられるようになった。多くの人々は、毎日、毎週、毎月、頭痛を患う。頸部後方の筋肉(首の後ろに)のトリガーポイントは、ひどい頭痛(例えば片頭痛、緊張型頭痛と外傷後頭痛)に、常に関係している。たとえば上部僧帽筋のトリガーポイントが活性化すると予想範囲の頭痛と頚痛が起き"模倣された偏頭痛"といわれるものになる(イラストD)。これらの筋肉が強く収縮することにより大後頭神経を圧迫して、筋痛のみならず神経の痛みも同様に引き起こす。
すべてのスポーツ障害;テニス肘、ジョガーズヒール、シンスプリント、二頭筋腱炎、滑液包炎、などは"成りすまし筋"をもつ。実際、成りすまし筋はしばしば痛みの症状の一部の原因になっている。スポーツで筋肉を幾度も幾度も使ったあと、もしこれらの筋肉が正常な静止長にストレッチで戻されないと、筋肉は次第に硬くなってきて、痛みを作るポイントが形成され短縮する。よい例は、"成りすまし筋"テニス肘の指伸筋と回外筋だ(イラストなし)。テニス肘はくり返される筋肉の微小外傷による。その筋肉は短縮して痛みの原因になる。ふくらはぎのヒラメ筋、腓腹筋、前脛骨筋(イラストなし)はジョガーズヒールやシンスプリントの"成りすまし筋"だ。
滑液包炎の根本的原因
短縮した痛みのある筋肉は、滑液包炎の根本的原因の多くを占めている。
イラストAの大腿筋膜張筋は大腿骨転子部の滑液包炎のような痛みをつくる。ハイジャンプで両足で着地したときや、一方向に傾いている地面でウオーキングしたりランニングしたりしたときにこの筋肉にトリガーポイントができる。
他の一般的な"滑液包炎"は大腿直筋にみることができる。イラストBにしめす。大腿直筋のトリガーポイントは膝の上に痛みをつくる。これは膝蓋骨の滑液包炎と誤診される。この筋肉のトリガーポイントはスキーの転落事故やランニング時に作られる。長時間、車の中で重い子供を膝の上に乗せていたようなことでもこの筋にトリガーポイントができる。
踵の痛みはいろんな原因で起きる。実際にはひらめ筋のトリガーポイントが原因でも踵に痛みがおきるが、これはしばしば、踵骨部滑液包炎と誤診される(イラストC)。ランナーがくり返して足先(トゥ、足裏球)で着地するとひらめ筋の過負荷がおこり、トリガーポイントが形成される。足首をしっかり固定しないでスキーやスケートをすると、やはりヒラメ筋は過負荷となる。
肩の前方の痛みは、上腕二頭筋腱の下の滑液包炎に似る。肩甲骨の棘下筋(イラストD)のトリガーポイントの痛みは肩の前方に出現し、二頭筋滑液包が作る痛み似ている。転倒しそうになって後ろに手をついたり、ワゴンをひっぱったり、いやがるペットをひっぱってあるいたりした時にこの筋のトリガーポイントは活性化する。
交 通 事 故
マーサがMyoRehabに無料相談に来たときは、鎮痛剤や筋弛緩剤の効果もなく6ヶ月間もすでに過ぎていた。
腹直筋のトリガーポイントは、しばしば背部や腰部の痛みの原因となる。(イラストA)
マーサの車が追突されたとき、ヒップをしっかり固定したシートベルトの前方の部分は、腹直筋などの下腹部の筋肉を傷めた。腰のレントゲンで背骨の損傷がなかったので、彼女の主治医はただちに軟部組織が損傷を受けたと思った。
マーサが腹筋のストレッチをしたり、長時間座ることによって腹筋を縮めると、彼女の腰痛は強くなった。マーサは、筋筋膜トリガーポイントが体の前方から後方へ関連痛を起こすことを知っておどろいた。彼女の腰痛の神秘が解決すると、マーサは希望を持った。
彼女は依然として頭痛に苦しんだが、これは交通事故のせいではなくアレルギーのためだと考えてた。マーサは訪問した当初は頭痛について言及しなかった。彼女が頭痛についてアドバイスを求めたとき、私たちは交通事故の数週間あとから頭痛がはじまったことを知った。遅れて頭痛がはじまったので、マーサは交通事故と関係があるとは思っていなかったのだ。彼女の痛みのパターンは鞭打ちでしばしば損傷する2つの筋肉の特徴的なものだった。それは胸鎖乳突筋=SCM(イラストB)と僧帽筋(イラストC)だ。この2つの筋肉が示す痛みのパターンを彼女に見せたとき、マーサは「それが私の痛みです!」と叫んだ。
長時間デスクワーク
MyoRehabに来たとき、彼は痛みが背中からスタートしてお尻にかけて降りて来ていると表現した。朝方、調子が悪くてベッドから起きるのが大変だ。ボブは熱いシャワーと売薬の鎮痛剤で痛みをコントロールしていたが、もはや限界だった。ボブは身体トレーニングに熱心なのだが、ここ数ヵ月間、ジムで運動できないことが体重増加の原因だと心配していた。余分なウェートが腰痛悪化に関わっていると感じた。
ボブは技術屋で、長時間デスクワークをしていた。彼は自分のことを"デスクジョッキー"と紹介していた。夕方になると彼の腰痛は耐え難いものになった。ボブは真っ直ぐに立つのは困難だといった。そして腰をかがめてトイレへ行くのだった。彼の病歴を徹底的に再検討した後に、動作範囲評価をした。これによって、ボブの痛みの原因になっている重要な部位を特定できた。
ご想像のとおり脊柱の両側の筋肉は緊張して痛みを持っていた。 これらの長い筋肉は一括して傍脊柱筋(paraspinals)として知られている。 (イラストA) 傍脊柱筋のトリガーポイントを触診するとボブの痛みはほぼ再現された。トリガーポイントとは、それが刺激されたとき予測される範囲に関連痛が生じる痛覚過敏になったポイントで、筋肉内にある。傍脊柱筋のトリガーポイントは腰上部にあり、そこからの関連痛はボブの腰から臀部にかけて起きていた。
ボブはまた腰椎に沿った特徴的な痛みを描いた。この痛みは腸腰筋によるものだった(イラストB)。腸腰筋は腰椎の前方から発し、骨盤を横切って大腿骨の上部に至っている腸腰筋は傍脊柱筋と共に、体を直立させる役割がある。一般に、これらの筋の一方が傷害されると、もう一方の筋にトリガーポイントができるのは時間の問題だ。これらの筋の一方を治療するとき、もう一方も治療されねばいけない。そうしないと、これらの筋のバランスがとれず、痛みを強くするかもしれない。この痛い状態がたやすく戻らないように、もう一方の筋もまた治療されるべきだ。
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